プリウス地デジ化(チューナ電源スイッチ連動) [地デジ化]
さて、今回は設置した地デジチューナの電源スイッチを自動で連動させるようにします。何に連動させるかというと既存のアナログTVチューナです。つまり、アナログTVチューナの電源がONのときだけ、地デジチューナをONにしようということです。こうすれば、不要な時に電源をONにして無駄に電力を使用することもありません。
これを実現するには下記の課題を解決する必要があります。
2は不要と思うかもしれません。たしかに、1ができれば、それが変化するたびに電源スイッチを操作すればいいはずです。しかし、何かの弾みでずれてしまったらどうでしょう?ONのときにOFFになってOFFのときにONになるといふうになってしまいます。とくに、起動時は両方が同じ状態で始まるとは限りません。なので、両方の状態の検出は必須です。
3は学習リモコンとかで赤外線を使う手も考えられますが、手っ取り早く基板上のスイッチを外部から操作するように改造することにしました。
そして、両方の状態から電源スイッチを操作する回路を作る必要があります。これは以下のことをさせるものです。
つまり、アナログTVチューナと地デジチューナの状態を見て、一致していなければ地デジチューナのスイッチを操作して合うようにするという動作が基本で、この動作はアナログTVチューナの状態が変わったときに実施すればよいが、これだけだと起動時はどうなってるか分からないし、ずれたとき修正するチャンスが無いので定期的にトリガをかけて、状態を一致させるようにします。
この動作をさせる回路を作ることにします。最近の手法で言うとPICとかのマイコンをプログラミングして済ませることが多いのでしょうが、今回の回路規模はそれほど大きくはないし、僕はまだマイコンのスキルを習得してないので、ロジックICを組み合わせて作成します。回路は大まかに次の三つの部分からなります。
1は、XORゲートを使えば良いですね。2は、ワンショットマルチバイブレータを使います。3は最初、トランジスタで無安定マルチバイブレータをつくろうと思ったのですが、この回路で数十秒の周期で安定に動かすのは難しかったので、タイマICNE555をを使用して40秒程度の周期のタイマを作りました。
全体の回路図はこうなります。
ロジックICは一個に複数のゲートが実装されています。なので、IC一個に収まるならゲート一個使用しても複数使用しても部品点数は変わらないのです。一方、使用するゲートの種類が増えると確実にICの個数が増えます。したがって、多種のゲートを少しずつ使うより、使用個数は少しぐらい増えてもゲートの種類を減らすと部品点数を減らせるのです。上の回路ではXOR、AND、ORと三種類のゲートを使っています(ワンショットマルチバイブレータを除く)。これでは三種類のICを使う必要があります。そこで、ORゲートをNANDゲートで置き換えます。
これは論理演算で導き出せるものです。NOTゲートも必要になりますが負論理入力/出力を使ったりして使用ゲートの種類をXORとNANDの二種類に減らしてICの使用数を減らすことができました。
さて、回路構成が決まったので、部品を揃えます。いつものようにジャンク品を漁って部品を揃えました。作りやすいようにDIP部品で揃えました。最近は表面実装の部品が増えてきて手作りしにくいのですね。
フォトカプラはスイッチ駆動にリレー代わりに使用します。さて、もう一つ重要な部品が基板ですよね。今回はユニバーサル基板を切り出して使用します。
ん?何だか変な形と思ったでしょう?その理由は、ケースにこれを使うからです。
e-maのど飴搾り感グレープです。いや、なんとなく大きさが手頃で加工しやすそうだったので。
で、基板の出来上がりがこちら。
いつもはICソケットを使うのですが、今回は小型に作りたかったので、じかづけしました。作ってる途中でタイマの時定数を見直したので、部品が違ってますね。電解コンの代わりにタンタルを使ってます。今は電源スイッチのみですが、将来チャンネルスイッチも駆動したいので、チャンネル上下スイッチ用のフォトカプラも既に実装してあります。裏面はこんなかんじ。
まあまあの出来かな。
全体像はこんなかんじ。
この回路の動作には5Vの電源が必要です。これは地デジチューナからもらいましょう。
地デジチューナの基板を眺めて5Vが来てそうなところを探して、そこに電源線をハンダ付けしました。電源スイッチがOFFのときでも電源が来ていないといけないので(そうしないとONにできない)その確認も必要です。
さて、基板をケースに収めたらいよいよ完成です。
このケースは一部透明で中が透けて見えるのがカッコいいですね。
アナログTVチューナの状態信号の取り出しはここで触れてますが、チューナモジュールの電源からとってます。地デジチューナの方はここで触れていますが、LEDインジケータの電圧を見てます。
以上で、狙い通り電源を連動させることができました。プリウスのオーディオ操作パネルでTVモードにすると地デジチューナもONになって、ラジオかオーディオOFFにすると地デジチューナもOFFになります。
<おまけ>
地デジチューナHVT-BCT300を改造していたら変なものを見つけました。
USBコネクタの下に隠しコネクタがありました。見慣れない形で、何のためのコネクタかわかりません。知ってる人いませんか?
<追記(3013.3.15)>
「隠しコネクタはESATAではないか」とのコメントを頂きました。そのうち、ESATAの外付けディスクを手に入れて使えるか試してみたいと思います。
以上で、電源連動回路の製作は終了です。次回は設置編をお送りします。
これを実現するには下記の課題を解決する必要があります。
- アナログTVチューナの状態検出
- 地デジチューナの状態検出
- 地デジチューナの電源スイッチの操作手段
- 両方の状態を判断して電源スイッチの操作を行う回路作成
2は不要と思うかもしれません。たしかに、1ができれば、それが変化するたびに電源スイッチを操作すればいいはずです。しかし、何かの弾みでずれてしまったらどうでしょう?ONのときにOFFになってOFFのときにONになるといふうになってしまいます。とくに、起動時は両方が同じ状態で始まるとは限りません。なので、両方の状態の検出は必須です。
3は学習リモコンとかで赤外線を使う手も考えられますが、手っ取り早く基板上のスイッチを外部から操作するように改造することにしました。
そして、両方の状態から電源スイッチを操作する回路を作る必要があります。これは以下のことをさせるものです。
- 両方の状態が一致していれば何もしない、一致していなければ電源スイッチを作動
- アナログTVチューナの状態が変化したとき上記判断を実施
- 一定時間が経過したときも上記判断を実施
つまり、アナログTVチューナと地デジチューナの状態を見て、一致していなければ地デジチューナのスイッチを操作して合うようにするという動作が基本で、この動作はアナログTVチューナの状態が変わったときに実施すればよいが、これだけだと起動時はどうなってるか分からないし、ずれたとき修正するチャンスが無いので定期的にトリガをかけて、状態を一致させるようにします。
この動作をさせる回路を作ることにします。最近の手法で言うとPICとかのマイコンをプログラミングして済ませることが多いのでしょうが、今回の回路規模はそれほど大きくはないし、僕はまだマイコンのスキルを習得してないので、ロジックICを組み合わせて作成します。回路は大まかに次の三つの部分からなります。
- 二つのチューナの状態が一致していなければ信号を出す
- アナログTVチューナの状態が変化したとき一定時間信号を出す
- 定期的に監視用信号を出す
1は、XORゲートを使えば良いですね。2は、ワンショットマルチバイブレータを使います。3は最初、トランジスタで無安定マルチバイブレータをつくろうと思ったのですが、この回路で数十秒の周期で安定に動かすのは難しかったので、タイマICNE555をを使用して40秒程度の周期のタイマを作りました。
全体の回路図はこうなります。
ロジックICは一個に複数のゲートが実装されています。なので、IC一個に収まるならゲート一個使用しても複数使用しても部品点数は変わらないのです。一方、使用するゲートの種類が増えると確実にICの個数が増えます。したがって、多種のゲートを少しずつ使うより、使用個数は少しぐらい増えてもゲートの種類を減らすと部品点数を減らせるのです。上の回路ではXOR、AND、ORと三種類のゲートを使っています(ワンショットマルチバイブレータを除く)。これでは三種類のICを使う必要があります。そこで、ORゲートをNANDゲートで置き換えます。
これは論理演算で導き出せるものです。NOTゲートも必要になりますが負論理入力/出力を使ったりして使用ゲートの種類をXORとNANDの二種類に減らしてICの使用数を減らすことができました。
さて、回路構成が決まったので、部品を揃えます。いつものようにジャンク品を漁って部品を揃えました。作りやすいようにDIP部品で揃えました。最近は表面実装の部品が増えてきて手作りしにくいのですね。
フォトカプラはスイッチ駆動にリレー代わりに使用します。さて、もう一つ重要な部品が基板ですよね。今回はユニバーサル基板を切り出して使用します。
ん?何だか変な形と思ったでしょう?その理由は、ケースにこれを使うからです。
e-maのど飴搾り感グレープです。いや、なんとなく大きさが手頃で加工しやすそうだったので。
で、基板の出来上がりがこちら。
いつもはICソケットを使うのですが、今回は小型に作りたかったので、じかづけしました。作ってる途中でタイマの時定数を見直したので、部品が違ってますね。電解コンの代わりにタンタルを使ってます。今は電源スイッチのみですが、将来チャンネルスイッチも駆動したいので、チャンネル上下スイッチ用のフォトカプラも既に実装してあります。裏面はこんなかんじ。
まあまあの出来かな。
全体像はこんなかんじ。
この回路の動作には5Vの電源が必要です。これは地デジチューナからもらいましょう。
地デジチューナの基板を眺めて5Vが来てそうなところを探して、そこに電源線をハンダ付けしました。電源スイッチがOFFのときでも電源が来ていないといけないので(そうしないとONにできない)その確認も必要です。
さて、基板をケースに収めたらいよいよ完成です。
このケースは一部透明で中が透けて見えるのがカッコいいですね。
アナログTVチューナの状態信号の取り出しはここで触れてますが、チューナモジュールの電源からとってます。地デジチューナの方はここで触れていますが、LEDインジケータの電圧を見てます。
以上で、狙い通り電源を連動させることができました。プリウスのオーディオ操作パネルでTVモードにすると地デジチューナもONになって、ラジオかオーディオOFFにすると地デジチューナもOFFになります。
<おまけ>
地デジチューナHVT-BCT300を改造していたら変なものを見つけました。
USBコネクタの下に隠しコネクタがありました。見慣れない形で、何のためのコネクタかわかりません。知ってる人いませんか?
<追記(3013.3.15)>
「隠しコネクタはESATAではないか」とのコメントを頂きました。そのうち、ESATAの外付けディスクを手に入れて使えるか試してみたいと思います。
以上で、電源連動回路の製作は終了です。次回は設置編をお送りします。
2013-01-02 01:19
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コメント(2)
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はじめまして.
記事読ませてもらいました.
おまけの端子の部分ですが,「ESATA」だと思いますよ.
音声の光端子もありますし,まだまだ遊べそうですね.笑
これからも更新頑張ってください.
by でん (2013-03-08 00:05)
記事楽しく読ませていただいています。
20型前期プリウスに乗っています。
ESATAは繋がりましたか?
記事ですが、追記が3013年となっていたのが気になりました。
そんなころにはどんな車になっているんでしょうね?
by Harry (2015-09-28 16:26)